地中熱利用システム
地中熱について
安定した地中温度を利用するメリット図
① 地球温暖化を低減するクリーンなエネルギーです。
● 化石燃料を直接利用しない。
> 空調等利用時のCO₂の排出量を減らせます。
● 持続可能な再生可能エネルギー熱です。
● 冷房時に外部に排熱しない。
> ヒートアイランド現象の緩和に貢献します。② 安定してどこでも利用可能です。
地中熱は、どんな場所でも季節を問わず安定した熱源です。
③ ランニングコストが安価です。
● 地中熱は安定した熱源。
> ヒートポンプへの負荷が少=消費電力の低減。
● 耐用年数が長く、ライフサイクルの面で有利。
● デフロスト運転が不要。
補助金制度が活用できます。
最新の補助金情報はこちらFAQ
地中熱についてのよくあるご質問
- 1.ヒートアイランド対策として空調設備を地中熱利用したいのですが可能ですか。
- 地中熱利用ヒートポンプによる冷房空調システムは放熱を地中で行うことから、ヒートアイランド現象の緩和効果に有効となります。
- 2.カーボンニュートラルに向けて、地中熱利用技術で何に貢献できますか。
- 地中熱利用技術は空気熱源やガス吸収式といった他のエネルギー利用方式に比べ、エネルギー効率が非常に良いため、化石燃料消費量が少なくでき、CO₂の排出量0を目指すカーボンニュートラルに貢献できます。
- 3.SDGsに取り組むにあたり、地中熱利用技術をどのように使えばいいのですか。
- 地中熱利用技術は、再生可能エネルギーとなる「地中熱」を冷暖房・給湯設備の熱源として利用します。
節電効果の高い冷暖房・給湯設備となる「地中熱利用ヒートポンプシステム」は温室効果ガスの排出抑制効果により、住み続けられる街づくりに貢献など“SDGs”の内、4項目に該当し、“自然エネルギーを活用する循環型環境社会への取り組み”が行えます。
私たちにできること
What we can do
- 01
水冷式ヒートポンプと地下水熱交換ユニット
120年超にわたって「地面より下のこと」に携わってきた実績を生かし、環境保全に貢献するため、当社が開拓した新事業が「地中熱を利用した空調・給湯設備事業」です。
- 02
地中熱工事施工状況
地中熱利用システムについては企画から設計・施工および監理まで一貫して対応できる体制を整えています。施工については、長年蓄えてきたさく井技術を生かし、掘削機械も自社保有のも のを使用して対応しています。
保有機械
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水プラント設置状況
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熱応答試験機
地中熱交換井掘進工専用機械(ソニックドリルSDC-175)、泥水ポンプNP-400、マッドスクリーン、地中熱 交換用パイプ挿入治具、熱応答試験機(特定非営利活動法人地中熱利用促進協会認定:認定番号:21-03)
地中熱利用システムについて
クローズドループ方式(地中熱利用)
地中熱交換器(地中熱交換用パイプ、Uチューブ)内に流体(水または不凍液)を循環させ採熱し、ヒートポンプで必要な温度領域の熱に変換するシステム。
[特徴]
① 設置場所を問わず利用でき、安定的かつ効率的に 冷暖房および給湯を行うことが可能です。
② 地中に排熱するため、CO₂の排出抑制やヒートアイランド現象の抑制に効果があります。
③ 地中埋設部に関しては、長寿命でメンテナンスがほとんど必要ないため、適用範囲が広いです。
④ 垂直型と水平型があり、このうち施工実績の多い垂直型には、ボアホール方式(掘削孔)と杭方式があります。
⑤ ボアホール方式は、深度100m程度の地中熱交換井を、対象となる熱負荷に応じて複数本設置(設置間隔4m以上)にするのが一般的ですが、オープンループ方式に比べ地中熱交換井1本あたりの採熱量が小さく、掘削本数が増えるため、設置コストは高くなります。
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ソニックドリルによる掘削状況
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熱交換用パイプ挿入状況
FAQ
クローズドループ方式についてのよくあるご質問
- 1.節電効果の高いクローズドループ方式の地中熱利用空調設備を新規建物に導入したいが、地中熱源設備の設置範囲はどのように計画すればよいですか。
- 1井100mの地中熱交換井は、通常のオフィス等での空調利用では、5〜7kwの地中熱交換能力を有しますので、熱源機の能力から総本数が決まります。総本数から、地中熱交換井の一般的な最小設置間隔は、4〜5mとなりますので、地中熱源設備の設置範囲が決まります。地中熱交換井の最小設置間隔を保てばどのような配置計画にも対応可能です。
- 2.地中熱交換井はどんな場所でも設置可能ですか。
- 地盤条件として選択制限はありません。ただし、土砂と岩盤では掘削費用が異なってきます。
また、施工範囲として重機を各種利用しますので20×20m程度が最低限必要となります。
- 3.一般に広く普及している空冷式と比較してのランニングコストはどの程度差異がでますか。
- 設備規模(初期コスト)の大小により条件は大きく異なりますが、おおよそ地中熱利用方式では20〜30%安価となります。
オープンループ方式(地下水熱利用)
井戸などにより揚水した地下水の熱を、地上にあるヒートポンプで取り出す方式です。熱交換後の地下水は、地中の帯水層に戻すか、地下に戻さず地表(排水溝などに)放流。複数の井戸を設置し、揚水井と還元井の役割をそれぞれ持たせるのが一般的となります。現在使用している井戸水の熱のみを利用することも可能です。
[特徴]
① クローズドループと比べ、熱交換用井戸1組あたりの採熱量が大きく、経済性に優れています。
② 地下水の水質や帯水層の地質などの影響により、井戸周囲やスクリーンにおいて目詰まりが生じる可能性があるため、揚水設備の維持管理(井戸洗浄やポンプ交換等)を含めて、システムの定期的なメンテナンスが必要不可欠となります。
③ 井戸の設置は地下水が取水できる場所に限られ、工業用水法や地域の条例などにより、地下水の揚水規制が定められている地域では、揚水設備の吐出口径などの仕様や能力、井戸の設置本数や揚水量等に制限があり、システム適用の際には注意が必要となる場合があります。
④ 規制が無く、地下水が豊富で水質が良好な地域においては、利用効果が非常に大きい方式です。
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井戸ケーシングパイプ挿入状況
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2井逆洗循環システムにおける井戸ピット内部
FAQ
オープンループ方式についてのよくあるご質問
- 1.クローズドループ方式とイニシャルコストに関する違いはありますか。
- 地下水と直接的に熱交換を行うため、地中熱交換能力を高効率で利用することが可能であり、クローズドループ方式が多本数の地中熱交換井を設置する必要がある場合でも、1井もしくは2井の井戸設置費用で地中熱源設備の設置が可能となります。また、計画敷地内に既設井戸がある場合には、今まで未利用であった地下水の熱資源を有効利用することにより、新規の井戸設置に対しての費用減を見込むことが可能です。
- 2.オープンループ方式はどこでも利用可能ですか。
- 地下水を直接利用するためには、第一に要求される数量が確保できる揚水が可能な場所かどうかかが重要です。そのうえで、都市部では、地下水利用規制の有無を確認する必要があります。また、熱源利用後の排水については、その排水先の状況(公共水路への放水可否や下水道への対応等)によって、ランニングコストが大きく変わってきますので、適用時には詳細な検討(還元井を設けることやカスケード利用の可否)が必要です。
- 3.オープンループ方式での熱源設備のメンテナンス内容はどのようなものですか。
- 通常の取水井戸と同様のメンテナンスをお考え下さい。量的資源として利用されていた通常の取水井戸に対し、空調利用の場合は、断続運転が繰り返されることや節電効果を高めるためのインバーター運転を多用することにより、ポンプの状況および作動チェックが重要になると考えられます。
実績について
豊明市消防本部(愛知県豊明市)
環境省の補助事業を活用して、老朽化した既存のガス吸収式冷温水ユニットを地中熱ヒートポンプチラーに改修し、その結果、建物全体で光熱費を年間200万円以上削減することができました。
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熱交換井(100m×18本)※冷却能力90.6kw、加熱能力99.0kw
三重県総合博物館(三重県津市)
●熱交換井(100m×54本+50m×1本)
(冷却能力477.6kw、加熱能力590.4kw)熱応答試験状況
地中熱交換器設置区域
常翔学園(大阪府大阪市)
●熱交換井(100m×6本)
(冷房能力46.7kw、暖房能力52.1kw)熱交換パイプ埋設状況
室外機設置状況
東京大学(駒場I)
理想の教育棟(東京都目黒区)●熱交換井(100m×10本)
●熱源井戸(Φ150A 25-26m×4井)[地下水循環方式]
(水冷ヒートポンプ45HP)名城大学ナゴヤドーム前キャンパス
(愛知県名古屋市)●熱交換井(100m×18本)
●熱源井戸(VP150×50m×2本)[地下水循環方式]
(水冷チラー[58馬力]※氷蓄熱槽:氷蓄熱量4000MJ)
ららテラス武蔵小杉(神奈川県川崎市)
●熱交換井(100m×8本)
(冷暖房能力33.5KW)御幸会デイサービス施設(愛知県弥富市)
●熱交換井(110m×18本)
(冷房能力100.8KW、暖房能力113KW)
株式会社オンダ製作所(岐阜県関市)
●熱交換井(100m×28本)
●水平ループ式熱交換器(5m×10m×2箇所)
(冷却能力110kw、加熱能力117kw、冷房能力140.4kw、暖房能力156.5kw)ローソン 海老名上今泉二丁目店(神奈川県海老名市)
自然の力を活用した省エネルギー実験店舗
「地下水熱利用井」を施工(150A 22m)
高山市鍛冶橋(岐阜県高山市)
(フリークーリングによる無散水融雪)●熱交換井(100m×26本)
●融雪面積(999m²)
小野市役所(兵庫県小野市)
熱交換井(50m×13本)
(冷却能力:22.8kW、加熱能力:34.1kW)
実績
年度 | カテゴリー | 工事名 | 施工場所 |
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2023 | 井水利用 | S社地中熱ヒートポンプシステム(井水利用)による空調設備設置工事 | 三重県 |
クローズドループ | I社事業所開発棟新築工事に伴う地中熱設備工事 | 愛知県 | |
クローズドループ | 名古屋市内工場地中熱交換器設置工事 | 愛知県 | |
2022 | 更新工事 | 四日市I邸地中熱利用システム改修工事 | 三重県 |
クローズドループ | 新倉庫兼事務所地中熱源設備設置工事 | 三重県 | |
2021 | クローズドループ | あま市新庁舎整備工事 機械設備・地中熱設備 | 愛知県 |
2020 | クローズドループ | 大府市内地中熱交換井設置工事および熱応答試験 | 愛知県 |
2019 | クローズドループ | 名古屋市内熱応答試験 | 愛知県 |
クローズドループ | 小野市内地中熱源設備設置工事 | 兵庫県 | |