空洞調査

空洞調査

  • 地下空洞の分布と、空洞充填状況の遠隔監視を実現します。

    日本には石炭・亜炭鉱山廃坑、金属鉱山廃坑、非金属鉱山廃坑、地下採石場跡および地下壕のような人工的な地下空洞や、鍾乳洞、火山洞などの自然形成の地下空洞が至る所に多数放置されています。近年土木及び建築工事において、掘削や盛土などによる応力変化、空洞の老朽化、さらに地震のような外力の影響により、地表面の陥没や、地上施設の沈下・傾斜が発生して設計・施工上の問題となっています。

    空洞調査はボーリング調査、物理探査、当社独自のCavity Sonar® (空洞調査システム)などの手法を用いて、地下空洞の有無、規模や拡がり方向を明らかにします。
    また、空洞充填工事において、空洞充填確認システムを用いた遠隔監視により、作業員が充填箇所に入ることなく、出来形を安全かつ効率的に確認して、適切な施工管理を実現します。

私たちにできること

What we can do

  • 01

     Cavity Sonar® (空洞調査システム)

    カメラと超音波イメージングソナーによる画像解析により、従来の空洞調査よりも効率的かつ迅速に高精度な調査結果を提供します。

  • 02

    充填状況確認システム i-See(NETIS登録)

    危険な地下空洞、空間等に対する充填作業において、作業員が当該箇所に入らずに空気・水・充填材をリアルタイムに識別して、充填材による充填状況を遠隔監視できます。

ボーリング調査

地中に存在する空洞の有無を確認したり、ボーリング孔を利用した空洞調査・計測を行う目的で実施します。空洞の規模・拡がりを調べたり、充填状況を確認したりする場合は、ロータリーバイブロ式ボーリングマシンを使用して削孔効率の向上を図ります。

  • ロータリーバイブロ式ボーリングマシンによる削孔

  • 孔壁保護管(塩ビパイプ)挿入状況

FAQ

ボーリング調査についてのよくあるご質問

1.ボーリング調査でどうして空洞がわかるのですか。
 
通常、ボーリングは掘削水を循環させながら掘削治具に圧力を加えて削孔します。
空洞に当たると掘削水が逸水するとともに圧力が0となり、掘削治具が落下します。このときの落下前後の深度から空洞の規模(高さ)を把握します。

物理探査

弾性波探査、電気探査、レーダー探査、表面波探査など様々な方法がありますが、単独では地下空洞の把握が難しく、一般に、ボーリング調査など複数の調査方法を組み合わせて実施して、結果を対比した総合的な判断から地下空洞を把握します。

  • ジオトモグラフィ地上起振状況

  • ジオトモグラフィ速度分布図

FAQ

物理探査についてのよくあるご質問

1.弾性波探査でどうして空洞がわかるのですか。
 
空洞周辺の地盤が緩んで強度低下している箇所を弾性波速度の低下として捉え、空洞の可能性を判断します。
速度低下箇所の検出は出来ても空洞の有無は特定出来ないため、確定のためには検出した速度低下箇所でのボーリング調査が必要です。

Cavity Sonar® (空洞調査システム)

Cavity Sonar®(空洞調査システム)はボーリング孔を利用して地下空洞の規模や広がり方向を明らかにする装置です。
カメラと超音波イメージングソナーおよびジャイロセンサーを備えた測定管(ゾンデ)をボーリング孔を介して地下空洞に挿入することで、地上部モニターに地下空洞の状況を可視化して示すことができます。これにより、従来の方法よりも効率的な空洞調査を実現しました。
地下空洞の全体像を高精度かつ低コストで把握することが可能なシステムです。

  • Cavity Sonar®測定部

  •  Cavity Sonar®による空洞調査イメージ図

  • Cavity Sonar®測定部

  •  Cavity Sonar®システム図

Cavity Sonar® 測定結果例

 

Cavity Sonar®による空洞追跡調査


Cavity Sonar®についてのよくあるご質問

1.空洞に水が無い場合でもCavity Sonar®は実施できますか。
 
気中の場合は超音波イメージングソナー探査が不可です。ただし、フルハイビジョンカメラを用いた空洞内部の360°画像撮影による解析は可能です。
2.Cavity Sonar®に必要なボーリング孔径はどれだけですか。
 
Φ89㎜の測定部(ゾンデ)を挿入するために、Φ100㎜以上のガイド管(塩ビ管または鋼管ケーシング)を設置します。そのため、ボーリング孔径はΦ146㎜以上が必要です。
3.Cavity Sonar®はどれくらいの深度まで調査可能ですか。
 
深度50mまでの調査が可能です。
4.Cavity Sonar®1回に要する時間はどれくらいですか。
 
調査深度により異なります。深度30mの場合で約半日が目安です。
5.Cavity Sonar®の費用はどれくらいですか。
 
調査箇所数、調査深度により異なります。対象地の場所をご連絡ください。現地調査を行って調査に必要なボーリングも含めた費用を提示させて頂きます。
6.Cavity Sonar®のレンタルや販売はしていますか。
 
レンタルや販売はしていません。

空洞充填計測

地下空洞、空間等に対する充填作業において、くし型電極を用いて電気伝導度を計測することにより、空気・水・充填材をリアルタイムに識別し、クラウドシステムを用いて、充填状況を遠隔監視できるシステム「i-See」を使用して空洞充填計測を行います。

  • 充填確認センサー設置状況

  • 機器構成

FAQ

空洞充填計測についてのよくあるご質問

1.充填状況確認システムは公共工事のどこに適用できますか。
 
①炭坑、亜炭坑、珪砂等の地下資源採掘跡の地下空洞、空間等の充填工事の充填管理。
②老朽化し危険となった地下埋設管やトンネル等の人工建造物の閉塞工事の充填管理。
③地盤沈下後の建物と地盤の空間を充填する工事の充填管理。
④路面下の空洞充填工事の充填管理。
2.充填状況確認システムの適応条件や適用範囲はどのようなものですか。
 
  • 【適応条件】
  • ①自然条件
  • ・コントローラの使用温湿度範囲は0〜65℃、5〜85%(結露しないこと)である。
  • ②現場条件
  • ・モバイルルータはAC100VまたはDC5V(バッテリー、ソーラーパネル併用)が必要。
  • ・モバイルルータ、コントローラの設置場所が必要。
  • ③技術提供可能地域
  • ・日本国内のモバイル回線のサービスエリアであること。
  • ④関係法令等
  • ・無線通信に関連し、日本国電波法の認証を取得済みである(IEEE 802.11b/g/n)。
  • 【適用範囲】
  • ①適用可能な範囲
  • ・流動化処理土、グラウト、モルタル、コンクリート、その他充填材の充填確認。
  • ②特に効果の高い適用範囲
  • ・流動化処理土による充填箇所。
  • ・人が入れない箇所。
  • ・観測孔が多数箇所の場合(複数台を同時に観測が可能)。
  • ③適用できない範囲
  • ・センサに膜ができ、正確な電気伝導度が得られない可能性のある環境での長期間にわたる測定。
  • ・電気伝導度が低い物質を用いた充填。
3.充填状況確認システムを用いた充填計測1回に要する時間はどれくらいですか。
 
充填工事時間の全時間に対応しています。昼夜連続計測が可能。電池交換無しで約90時間。
4.充填状況確認システムの費用はどれくらいですか。
 
使用するコントローラ台数、センサーハーネスの長さや使用期間により異なります。
調査内容の提案とともに費用を提示させて頂きます。
5.充填状況確認システムのレンタルや販売はしていますか。
 
現時点でレンタルや販売の予定はありません。

実績

年度カテゴリー発注者業務名施工場所
2023空洞充填計測民間企業多治見国道21号中地区亜炭抗充填工事岐阜県
空洞充填計測民間企業N市亜炭鉱充填工事4期岐阜県
2022空洞充填計測民間企業多治見国道21号御嵩地区亜炭坑充填工事岐阜県
空洞充填計測民間企業N市亜炭鉱充填工事3期岐阜県
空洞充填計測民間企業J地点亜炭鉱空洞調査業務愛知県
2021空洞充填計測民間企業M町空洞充填工事カメラ調査神奈川県
空洞充填計測民間企業N市O地区亜炭鉱充填工事2期愛知県
物理探査民間企業KJオイリー配管上空洞調査三重県
2020空洞充填計測民間企業N市O地区亜炭鉱充填工事岐阜県
物理探査民間企業KJオイリー配管上空洞調査三重県
空洞充填計測民間企業多治見国道21号御嵩地区亜炭鉱充填工事岐阜県
2019物理探査民間企業KJオイリー配管上空洞調査三重県
空洞充填計測民間企業南海トラフ巨大地震亜炭鉱跡防災対策事業第5-3-1期防災工事岐阜県
空洞充填計測民間企業多治見国道21号御嵩顔戸地区亜炭鉱充填工事岐阜県